低収入でも離婚できる?4離婚の映画「マリッジ ストーリー」に思う。
離婚の映画「マリッジ ストーリー」に思う。
こんにちは、Kです。
(プロフィールはこちら⇩)
https://allegrare.net/k
タイトルを
「低収入でも離婚できる?」
に変えました。
よろしくお願いします。
離婚して
さらに幸せになることなんて
あり得るのだろうかと
思っていた。
でも、この
「マリッジ・ストーリー」という、
離婚の話なのに「マリッジ」とついている
タイトルの映画を観て
不思議な気持ちになったことを
シェアしたいと思う。
「マリッジ・ストーリー」は
今年2月の米国アカデミー賞に
6部問ノミネートされ
助演女優賞で
ローラ・ダーンが
見事オスカーを受賞した作品だ。
(Netflix配信)
(ネタバレが激しくあるので
これから見る予定の方は
注意してくださいね)
この映画を観終わって
とにかく余韻がすごかった。
ずっと、頭に中で
いろんなことを回想した。
いい映画って
ホント余韻がすごい!
「マリッジ ストーリー」
は間違いなく
いい作品だと思う。
ある夫婦が
ガチで離婚するまでを
描いている。
女優のニコール(スカーレット・ヨハンソン)と
演出家で脚本家で監督の
チャーリー(アダム・ドライバー)は
息子ヘンリー(5歳)と
幸せな結婚生活を送っていた。
チャーリーの劇団は
無名だったが、
ニコールの加入で人気が出て
ブロードウェイに
進出するまでになった。
そんな中ニコールは
自分の感情が封印されて
劇団に従属する存在に
なっているように感じていた。
ニコールが
敏腕離婚弁護士のノーラ(ローラ・ダーン)
を雇ったことで
状況は一転して
泥沼の離婚調停に
突入していく。
この映画は
監督のノア・バームバック自身が
離婚について
「個人的な映画だ」
と語っている作品だ。
(2013年に離婚)
自身の離婚調停で
元妻(女優ジェニファー・ジェイソン・リー)側の
離婚弁護士(ノーラ)が
あまりにも敏腕だったから
そのエピソードを映画化した。
バームバック(夫側)の
個人的な体験だから
余計に
ニコール(妻)からチャーリー(夫)への
指摘が鋭くて、
観ているこっちまで
胸が突き刺される思いだった。
「あなたは私の一部」
とまで語って
チャーリーを
愛していたはずのニコールだったが
実はこんなことに
不満を持っていた!!
チャーリーに
大きな仕事が来たら
家族が引っ越すのは
当然だろ?
それが北欧だろうと。
ニコールに
ロスでの新しい仕事の
オファーがあっても(ニューヨーク在住)
それは、単発だろ?
と引越ししなかった。
それがシリーズ物に繋がっても。
二コールの仕事に対する
私もチャーリーと対等でありたい。
ニューヨークの仕事が決まったら
家族で引っ越ししてほしいという
真剣な思いは
チャーリーに伝わっていなかった。
無意識に自分は監督だから
女優の妻より
優先されて当たり前
と思っていたことは
二人の共通認識ではなかった。
そういう小さなすれ違いに
チャーリーは離婚調停の中で
気付かされていく。
終盤にチャーリーが
一人で住むことになった
まだ家具もあまりない
殺風景な部屋で
二人の口論が静かに始まった。
とんでもなく長い台詞で
激しく感情をぶつけ合う
ワンカットの喧嘩シーンが
圧巻だった。
チャーリーが怒って
拳で壁に穴を開けた。
そして
絶対に口にしてはいけない言葉を
チャーリーが叫んだ。
「毎日、死んでくれたらと思う。
へンリーさえ無事なら
病気になって、
車に轢かれて
死んでほしい」
そして、
ニコールの膝の前で
「ごめん」と泣き崩れた。
ニコールは
チャーリーの体温を
求めるように抱きしめて
一緒に泣きながら
背中をさすっていた。
そのシーンが、忘れられない。
あまりにも強烈だったから
もう1回観た。
生々しい感情をむき出しにして
ここまで本気でぶつかれる相手って
いったい一生のうち
何人いるんだろうか。
相手が受け止めてくれるって思えて
愛されている安心感があるから
叫べたんだと思う。
全部「自分をわかってほしい」って
言っていた。
そっかーー、
ぶつかり合うって
幸せなことだったんだなぁと
二人を見て思えた。
脳内であるシーンが蘇った。
長女が4歳の時だった。
家を建て替えるために
仮住まいのマンションに
住んでいた時期があった。
原因がなんだったかは
全く覚えてないけれど
私たち夫婦は険悪になり
夫は激しく何かを叫んで
壁に、
拳で穴を開けたことがあった。
その映像がフラッシュバックして
心拍数が上がって
涙が溢れた。
愛し合っているから
夫婦になったのに
人はなぜここまで
分かり合えなくなるんだろう。
本来なら
求めないレベルのことを
夫婦だからわかってくれるはず
と求め過ぎて
わかってもらえなくて傷つく。
素直になって打ち明けて
踏み出していたら
修復できたかもしれない。
このデリケートで
リアルな脚本が
見事だった。
バームバック監督は
最初、
女性かと思うほど
実体験を繊細に描いていた。
二人では何も決められず
感情的になっていく一方で
依頼された弁護士たちが
相手への批判を
これでもかーーー!!
と進めて
二人の関係を
解体していった。
二人がちょっと
不満に思ったことを
それぞれの弁護士に語ると
少しでも相手より
優位に立つための
猛攻撃する材料になっていた。
夫婦間で
穏便に済ませたかった問題も
相手の心臓をえぐることになった。
特にノーラは
キレッキレだったから
チャーリーは
思ってもいない指摘に
何度もたじろぎ
苦しんだ。
でも、
だからこそ
夫婦以外の誰か
客観的な立場からの視点が入ったら
離婚を前に進めていきやすい
メリットがあると感じた。
ただアメリカには
裁判の文化が
根付いているかもしれないけど
日本にはない。
そんな日本人には
「円満離婚アドバイザー」という
職業に頼るのが
最適ではないかと思った。
日本で
その職業の良さが
広まっていくといいなぁと
強く感じた作品でもあった。
離婚することが
ゴールではなく
その後に
どのような未来を
選択していくのか。
そういうことに
息子ヘンリーの存在を通して
離婚から始まる
新しい家族の形の中で
愛情が続いていくんだと感じた。
そしてラストで
冒頭シーンで読めなかった
お互いのいいところを書いた
紙を読むシーンに
グッときた。
ニコールの紙を
チャリーが読むシーンだ。
5歳の息子ヘンリーが
字を読む練習として
その紙をパパに
読んでもらう。
読みながら初めて
紙の内容を知るチャーリー。
数々の
嬉しい言葉の中に
「チャーリーに会って
2秒で恋に落ちた。」
があった。
なんて心を持ってく
フレーズなんだ!
涙ぐむチャーリーと
チャーリーが音読しているのを
ドアの後ろで聞いていたニコール。
これを知ることができたから
憎しみだけではなく
大好きだった人との関係を
新しく作ろうと
思えたのかもしれない。
ホッコリした。
なんだか
こんな風に
自分の気持ちを
さらけ出しあえて
相手の気持ちを
思いやることができる
二人を見ていたら
また、
結婚してもいいかなぁと思えた。
自分でもびっくりだ。
結婚なんて懲り懲りだと
思ってたのに。
だから、離婚の話なのに、
「マリッジ ストーリー」
なんだと思えた。
アカデミー賞授賞式に
参加していた
バームバック監督の隣には
現在の彼女グレタ・カーウィグ(映画監督)
の幸せそうな姿があった。
昨年、
二人の間に男児が誕生してる。
離婚して
またさらに幸せになっている姿を
見せつけられた。