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低収入でも離婚できる?8  映画「半世界」から見た夫婦愛

こんにちは。
Kです。
(プロフィールはこちらから)
https://allegrare.net/k

 

監督・脚本 坂本順治の「半世界」
http://allegrare.com/l/m/kCdco6GrPG6Yyj
を見た。
(モロネタバレしてますので
 注意してくださいね)

すごく良かった。

そびえ立つ山々
広がる海のさざ波

日本の小さな田舎町に住む
高村鉱(稲垣吾郎)という

不器用な炭焼き職人を主役に

その小さな世界から
問いかける物語だった。

「こんなこと、ひとりでやってきたのか」

鉱は、
40歳を目前に
突然帰ってきた
中学からの旧友で元自衛官の
瑛介(長谷川博己)

に驚かれる。

父の仕事を
反抗というか
成り行きで継いだ

炭焼き職人の仕事。

仕事を理由に、
家のことは妻・初乃(池脇千鶴)

に任せっ放しだった。

鉱は、
瑛介の帰郷と
もう一人の同級生・光彦(渋川清彦)に

「おまえ、明(息子)に
 関心持ってないだろ。
 それがあいつにもバレてんだよ」

と鋭く指摘され

仕事だけでなく、
反抗期の息子にも
無関心だったことに
気付かされる。

やがて、
瑛介の抱える過去を知った鉱は
仕事や家族と真剣に
向き合う覚悟をするが……。

瑛介は、
自衛官として海外に派遣され
部下を失うという
悲劇を体験していた。

帰国後、
後遺症で精神が不安定になり
離婚し、
妻と9歳の子どもと別れて

誰も住んでいない
廃墟と化した実家に帰ってきた。

ささやかな営みが繰り返される
故郷の淡々とした日常の中に

非日常に身を置いてきた瑛介が
混じっていくことで

少しずつ、
鉱の心に変化がおこる。

鉱の息子
明は反抗期で
学校ではいじめにあっていた。

この映画で
一番好きだったシーンは
瑛介と明の
うどん屋のシーンだ。

ある日、
瑛介は
いじめっこに囲まれ
暴力を受けていた
明を救い出した。

そして
うどん屋に誘った。

そこで
うどんだけしか食べない
中3の明のグラスに
自分の頼んだ瓶ビールを
そそいだ。

驚きながら断る明に

「いいから、飲めよ。
 明のおやじも中学の時から
 俺たちと飲んでたぞ」

と言うと

明は
恐る恐るビールを飲む。

瑛「そうだ、いけいけ。
  明、
  お前のおやじがやってる仕事は
  すごい仕事だぞ」

明「え?
  どうせ、親の仕事を
  楽に選んだだけだろ」

バシッ(頭をたたく)

瑛「何言ってんだ。
  じゃあ、やってみろ。
  山ん中、行ってみろよ。
  すごい仕事だぞ。
  明、
  鉱は気が回らないだけなんだ。
  悪いオヤジじゃないぞ」

明「うん…」

そして、帰り道
明に、
いじめっこに勝つ
喧嘩の仕方を教える。

相手の身体が
自分よりどんなに大きくても

こうやってこう倒れれば
相手も一緒に
地面に転がるから

こう来たら
こう返して仕留める

こうやって喉元を抑えると
呼吸ができなくなる

その具体的な教え方が
真剣でかっこよかった。

自分が中学生の時
こんな
ざっくばらんな
話ができる大人が
私の周りにはいなかった。

こんな大人が
一人でも
いてくれたら

なんか世界が
違って
広がって見えていたかも
しれないなぁと思った。

それから、
もう一つ
お気に入りのシーンは

風呂上りに
頭にタオルを巻いた
初乃と鉱が

茶の間で
みかんを食べながら
団欒するシーンだ。

何気ない日常を
初乃役の池脇千鶴は
なんて自然で
完璧に演じるんだろう。

日本の女優さんだと
会話しながら
何か食べる時

みかんだったら
ほろを1つか2つくらいしか
口に運ばないところを

初乃は

パクパクと
1個丸ごと食べ切っていた。

その食べ方も
自然で、

食べながら
何て言ってるか
はっきりわかる。

向かい合わせで
みかんを食べている鉱が
神経質に筋を取っている
のに対して

筋は一切取らないあたりも
性格の大らかさが
伝わってきて

やっぱ好きだな
池脇千鶴!

所帯じみた雰囲気も
品があるところも
妻であり
母であり
女であり
戦略的であるところも

絶妙に醸し出していた。

彼女が出ると
映画の質が
確実に上がる。

この作品で
鉱は決していい夫ではない。

「なんでそんな言い方すんだよ」

とか
初乃が明のいじめのことを
相談しようとしても

全然わかってないのに
「たいしたことじゃないんだよ」
と決めつけたり。

初乃の話を
聞こうともしないことが
何度もあった。

それでも
中3の息子・明が
母親に手を上げたときは

「何やってんだ!!」
と尋常ではない態度で
明を叱り付け

「大丈夫か?」
と初乃に駆け寄った。

初乃に
高校時代の同窓会が
あると知ると
元彼の存在を
気にしたりしながらも
「楽しんで来て」
と優しく送り出す。

鉱が酔って帰って来て
着替えようともしないで
寝ようとした時は

初乃の可愛さに
助けられていた。

初乃は
「私もまだ着替えてない。
 着替えさせて」
と可愛く甘えていた。

泥酔した鉱とキスした時に
「クッサーーー」
と笑いながらも
楽しそうだった。

鉱は
炭焼き職人として
営業が先細りになってしまった
内容を

経理担当の初乃に
しっかり伝えていた。

仕事に対して
特に向上心は
なかったけど

職人として
技術の高い
たくさんの工程を
こなしていた鉱を

初乃は尊敬していた

息子に対して
無関心だったけど

全然完璧じゃないけど。

少しずつ変わろうとしている鉱を

初乃は支えたいと
知恵を絞って
戦略を考えていた。

備長炭の仕入れを
いくつもの営業先に断られ
売り上げが落ち
困っている夫に対して

初乃は
「同窓会に行く」
と言って出かけて。

本当は
一度、鉱が営業を
断られたホテルに
とんでもない技ありトークで

鉱の備長炭の
営業をかけに行っていた。

めっちゃ愛だった。

鉱のことを
深く愛していた。

そして
一番かっこいいと
思ったシーンは

父(石橋蓮司)と一緒に
実家の中古車販売の
仕事をする光彦が、

悪質な嫌がらせで
商売の車を
めちゃめちゃに壊されて

車を返品してきた連中に
ボコボコに殴られていた時。

車で
通りかかった瑛介が

颯爽と走って行き

その連中を
ボッコボコに殴って
蹴って、
飛ばして
反撃した。

あまりにも激しい反撃ぶりに

「瑛介!やめろ!離れろ!」
と鉱が叫んでいた。

暴力シーンは苦手で
やくざ映画とかは
一切見ない私だけど

このシーンは

行けー行けーーー!

と思いながら

瑛介の鮮やかな喧嘩姿に
酔いしれた。

超カッコいい!!

それに比べて
鉱ーー!
ただ見ているだけって
なんなんだよ。
少しは戦えよ!

って思ったくらい
冷静だった。

瑛介が
「おまえは世間しか知らない。
 世界を知らない」

と鉱に言った。

「そんな難しいこと言うなよ」

一度は
こう答えていた鉱だったが

瑛介が再び疾走して
探し当てて
再会した時は

鉱「こっちも世界なんだよ。
  いろいろあんだよ」

これがこの物語だった。

彼らが抱えている悩みは
たしかに
世界から見たら小さい。

鉱が父親から継いだ
炭焼き職人という
仕事は
時代の流れもあって
先細りになっていた。

取引先を失っていく中で
新たな営業も
うまく行かない。

息子・明とも
うまく意思疎通できない。

妻・初乃とは唯一
長年の日常の中で
優しさをうけとめて
愛情を持ち合って
応援してもらって
うまくやれている。

そういう世間も、
間違いなく世界の一つだ。

 

そんな
淡々とした営みの中で
突如として襲う
悲劇がある。

もう、たまらなかった。

起こる出来事に
身につまされた。

鉱は39歳の若さで
仕事中に
炭焼きの窯の前で
突然、胸を抑えて
倒れて

帰らぬ人となってしまった。

初乃は
鉱が入った棺に
「私も一緒に入るーーーー」
と泣き叫び

明に全身で止められた。
「もっとお弁当作りたかったーーー」

妻に、こんなに愛されて
死ねるって

鉱の人生は

すごく幸せだったと
思えた。

「半世界」は
日本の自分の周りで起こる
諸問題は

決して世界の問題と
切り離されてない。

どんなことにも
関心を持たないと

事態が悪化していく
恐ろしさがある
と気づかせてくれた。

初乃と瑛介と光彦が
鉱に
気付かせてくれたから

鉱は幸せの中で
死ぬことができたんじゃないかな。

目の前の問題の存在に
目や耳を塞がずに
いたいと思えた。

地味で
楽しくて愛おしくて
切なくて面白い
作品だった

この作品を通して
自分が死んだ時
パートナーに
何て言われたいか

または
何て言いたいか
考えた。

それが本当に
今のパートナーに
言えるか
考えてみるのは

離婚についての
新たな視点として

ヒントになるかも
しれない。

(おまけ)
SMAP時代の
稲垣吾郎は

映画評論だけ好きだった。

映画に対する
詳しさ
センスの良さ
毒舌さが
良かった。

俳優としては
残念だった。

だけど今回の
主演は

家に入る前の
神経質なルーティンや

炭火焼き職人として
道なき山を登り
木を切り運び
窯で焼き
取り出し
かき集める

その一連の
工程を
雄大な自然の中で
黙々とこなす姿も

どれも素晴らしかった。

そして何より
妻・初乃との
人間的な愛情ある絡みが
良かった。

大きなスクリーンで
観たいと思った。

ジャニーズ事務所から
脱退したため

この作品が
ほとんど宣伝されなかったのが
本当に残念だ。

「半世界」は
確実に稲垣の
代表作になったと思う。

もしパートナーに
なんて言えるか考えて
思うような言葉が
浮かばなくても

一度
一人で抱え込まずに
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