安全領域から抜けられない
こんにちは!
リボーンコンシェルジュ佐倉伊織です。
離婚をしたいけどなかなか踏み切れない。
離婚したあとが不安…
子どもへの影響が…
周囲の目が気になる…
そんな理由から
離婚を二の足踏むことってあると思います。
もしかしたら
これが理由かもしれません。

成長阻む居心地
以前私は特別養護老人介護施設で介護士の仕事をしていました。
当時のパートの時給は1000円。
子どもが大きくなるにつれ、勤務時間を増やしフルタイム勤務。
早番、日勤、たまに遅番や夜勤などもしていました。
介護業界は昔も今も変わらず、人手不足でサービス残業当たりまえ、
でも、残業代は出ません。
そしてパートは何年働いても10円すら昇給はなし。
本当にブラックでした。
勤務し始めて3年、国家資格を取得したところで
がんばってもがんばっても、評価らしい評価をいただけないし
「転職してステップアップしよう」と考えました。
施設長が納得しないと離職届をいただけないという
変な風潮があったので、何度となく施設室へ出向いていました。
毎回おしゃべり好きな施設長の話しを聴くだけ聞いて
「あと〇か月います」「もう少しがんばります」
で、離職届をもらえることもなく
どこか、はっきりできない自分がいるのも確かでした。
その施設は私の入職時に新設され、私はオープニングスタッフ。
私は介護資格を取得しばばかりの未経験。
介護経験の差はあっても、この施設では
みんなスタートラインが同じだということで
居心地の良さを感じていました。
実際、介護業務は大変なこともありましたが、
人と関わるという仕事自体は楽しかったし
正職員、パート、和気あいあいとしていて、
よくありがちな人間関係で悩むこともありませんでした。
「転職はしたいけど、ここは気が楽」
そんな思いがあって、転職を検討してから
1年半もの間辞められませんでした。
安心な場所
私の転職経験のように、「このままではイヤだ」
と思っているにも関わらず、
自分が快適に感じる範囲や心地よさを感じる
環境や状況から抜け出すことは難しいです。
何が起こるかまったく分からない、
未知なる新しい挑戦やリスクを避けようとし、
心理的な安心感や安全感を感じる状態や環境にいよう
としてしまうんです。
なんだかんだ現状維持でいたい
これをコンフォートゾーンといいます。
日本語でいうと「安全領域」「快適圏」と表現されます。
パートナーとのこと
パートナーとの関係性が良くなくて離婚を考えてみるものの
長年の結婚生活がつづくと、経済的な安定感や日常のルーティンが
居心地のいい領域になっています。
・経済的なこと
共働きだと夫婦で家計を支え合っているので、
経済的に安定した状態がコンフォートゾーンとなります。
離婚後ひとりで生活費を賄うことへの不安が大きくなり、
経済的なリスクを避けるために現状維持を選んでしまいます。
・子どもへの影響
子どもがいると、離婚が子どもに与える影響について心配になります。
親として子どもの安定した環境を守ろうと考えるので、
コンフォートゾーンから抜け出す決断が難しくなります。
・社会的つながり
結婚をしている自分のことを知っている友人や親族とのつながりもコンフォートゾーンのひとつです。
「結婚式したのに、離婚なんて…」と考えるのはこれです。
離婚してしまったら、友人関係や親族との関係性が
変わってしまうのではないかという恐怖や不安から、
今のままでいようと思ってしまいます。
・生活習慣
結婚生活をしている中でできたルーティーンや役割分担もコンフォートゾーンの一部です。
家事や育児を今まで分担してやってきたのに、
それを崩したら自分ひとりに負担がかかると考え、
次のステップに進むことに躊躇してしまうことがあります。
・心理的な依存
結婚生活の中でパートナーに心理的に依存していると、
それを手放すことに恐怖が大きくなってしまいます。
離婚をしたら孤独感、ひとりでの新しい生活に適応できるのか、
そんな不安から、やっぱり「現状維持でいいや」という
考えにつながってしまいます。
モラハラを受けている方に多い傾向です。
現状維持
今までもがまんできたのだから…
子どもが〇歳になってから…
などと理由はいくらでも思いつくと思います。
現状のままでいたらどうなりますか?
来年の今も同じ状況。
じゃあ、3年後は?
そのまた5年後は?
変化を避けていると、悪くなることはあっても、良くなることはありません。
「辛いな」「しんどいな」と感じながら、
現状を維持し続けることはメンタルの面でも良い影響は与えません。

きっかけ
結局、私が特養を退職できたのは、信頼していた上司の裏の顔を知ってしまったからでした。
ちょうどいいと思って、「職員と信頼関係が築けない」と退職しました。
今思えば、きっかけはほんの小さなこと。
それでも、あの一件がなければ、安全領域を出て、資格を生かしたステップアップはありませんでした。
小さな一歩から
コンフォートゾーンを抜けられないのは、
起こるかどうか分からない不安を考えてしまうことも
原因のひとつかなと思います。
新しいことを始めるのは、精神的にも肉体的にも負担があります。
「新しい職場でなじめるかな」「新しい職場は約役に立てるかな」ってたくさん妄想しました。
「ひとりで生活していけるかな」
「離婚したって言ったらどう思われるかな」
だったら、「今までガマンできたんだし、これ以上負担増やす必要ないよね、このままの方が楽だよ」って悪魔が囁くんです。
一歩を踏み出したら、想像もしてなかった楽しいこと、やりがい、成長があるかもしれないのに。
不安は簡単に想像できるのに、逆のことは
「そんなことあるわけない」「まさかね」と
想像しづらかったり、否定的なんです。
不思議なことに。
「こうなりたい!」「こうなるんだ!」
は、やってみなければ分かりません。
そこに近づくために、叶えるために、現状維持から一歩抜けてみませんか。
あなたが変われば、周囲が変わることは間違いありません。
現状から抜け出すか迷っている方は、まずはお気持ちだけでも聴かせてください。
それが第一歩になります。