なぜ離婚しないの?円満な家庭内別居の方法
3組に1組の夫婦が離婚をする時代となりましたが、離婚をしない残りの2組は円満な夫婦かと言えば、実際にはそうでもありません。
離婚をしない夫婦のうち20%が家庭内別居の状態にあり、熟年夫婦にフォーカスするとその割合はさらに高まるとも言われています。
家庭内別居ってどんな状態?
一般的には夫婦関係が破綻しているにも関わらず、同じ住居に暮らしている状態を「家庭内別居」と言います。
家庭内別居の度合いは家庭により様々です。
お互いに口をきかなくなる軽い家庭もあれば、相手に嫌悪感を抱くため、顔を合わせることのないよう生活リズムをずらしたり、物理的に居住空間を分けたりするような家庭もあります。
ニュースにもなった事例では、老夫婦が家庭内別居状態だったために、相手が亡くなっていたことにも気付かなかった、という家庭もありました。
このケースでは相手に嫌悪感もなくなり、相手の存在すら気にならないような状態になっていた訳で、まさに家庭内別居の状態も千差万別です。
なぜ離婚しないの?
夫婦関係が破綻している離婚予備軍の夫婦が「離婚」ではなく「家庭内別居」という道を選択するのはなぜなのでしょうか?
理由は家庭により様々ですが「経済的な理由」と「子供への影響」が大部分を占めています。
自身の収入がない、または少ないために離婚に踏み切れず、離婚をして経済的に困窮するよりかは、我慢をしてでも婚姻生活を継続することを選択する人が多くいます。
また、子供がいる夫婦の場合は、離婚がおよぼす子供への悪影響を懸念し、心の中では「子供が自立したら離婚する」と目標を定めているものの、現状は婚姻生活を継続させている方が多くいます。
家庭内別居の悪影響
離婚できない理由があるにせよ、関係が冷え切った夫婦が同じ空間で生活を続けることは、好ましいものではありません。相手の存在に気持ちがイライラし、相手に嫌悪感を抱くような生活は、健全ではありませんよね。
子供に対しても同様です。「子供には両親がそろっている方がいい」「子供の精神的な影響を考慮すると離婚はよくない」というと、もっともな理由であるかのように聞こえますが、だからといって離婚でなく家庭内別居が子供にとって最善の策であるかどうかは別の話です。同じ家に居ながら、話さない、ご飯を一緒に食べない。異様な空気の中で育つ子供たちは、ストレスを抱えてしまいます。
離婚をせずに家庭内別居を選択した以上は、ストレスを溜めない生活、そして子供を不幸にしない環境を考えてあげる必要があるのではないでしょうか。
いろんな夫婦のカタチがある
家庭内別居と聞いてポジティブなイメージは湧きにくいですが、見方を変えれば、夫婦がお互いの生活を継続させるためにたどり着いた、その夫婦にとっての最適なカタチであるとも言えます。
子供と自分のためにも、できるだけ暮らしやすくするために、夫婦お互いにルールを決め、距離感を作って、感情的にならず、お互いを尊重することが大切ではないでしょうか。
そして、もし離婚に迷った場合でも、家庭内別居という冷却期間を経て、元通りになる夫婦も少なくないようです。