笑顔を守るためにの巻 第3話






【3話の解説】
夫婦喧嘩やモラハラ・不倫によって
もともと穏やかで優しい性格のとも子さんは
心身ともに疲弊していきました。
夫がいない時間も疲れはてて
笑顔がなくなっていました。
そんな生活で影響があったのは
とも子さんだけではなかったのです。
気づかないうちに
お子さんにも伝染していました。
その影響が顕著だったのが
中学受験を控えた
息子のワタル君(11歳)
これまで志望校に入りたい一心で
学校や塾で中学受験に向けて頑張ってきました。
そんなワタル君の様子が夫婦問題の悪化や
とも子さんの元気がなくなるに伴い
おかしくなっていったのでした。
ある日のことです。
ワタル君が泣いていたのです。
久々に泣いている息子を見たとも子さん。
慌てながら「どうしたの?」と聞くと
『勉強をしたいと思うんだけど、どうしても集中できない』
『机の前にいっても、ボーっとしちゃう』
『勉強する気になれない。』と嘆いていました。
今まで楽しそうに通っていた塾にも
だんだんと塾に行くのが辛そうになり
塾に行く回数が徐々に減り
そのうちに塾に行けなくなってしまいました。
今まで真面目で努力家だった息子の変化に
とも子さんは困惑しました。
しかし、このときのとも子さんは
家庭環境の悪化や、自分自身の元気や笑顔が失われたことが
ワタル君に深く影響を与えているとは
まだ気づいていなかったのです。
つづく